株式会社YCC情報システム
代表取締役社長 伊藤 秀美
1.デジタル技術の社会への影響
デジタル技術(AI、IoT、ネットワーク)の発展により当社を取り巻くビジネス環境は急速に変化しています。これから企業が生き残るためには、デジタル技術やデータを活用し、顧客視点で新たな価値を創造することが求められます。今後、持続的な企業価値を向上するためには当社は製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、組織、業務プロセス、企業文化・風土の変革に取り組みます。
2.経営ビジョン(DXビジョン)
当社は情報通信技術の発展とともに常に新しい技術に取り組み、お客様に最適なシステムを提供してまいりました。これからはデジタル技術とデータを活用した新たな顧客価値を創造し、業務プロセス、企業文化、自社サービスやビジネスモデルを変革し、お客様に新しい顧客体験を提供します。自社においても老朽化・ブラックボックス化した既存システムの再構築やデジタル技術を活用したペーパーレス化や業務プロセスの変革を行い、サイロ化した社内データを統合し、意思決定や戦略にデータを活用していきます。
3.ビジネスモデルの方向性
当社はDX技術を用いて社内業務プロセスの生産性向上を図り、経営資源をDXへ集中することで、競争力強化や新規事業展開を行います。既存ビジネスにおいてもデジタル技術とデータを活用した新しい視点で、生産性向上の実現を図ると共に、顧客の課題解決を支援します。
4.具体的な方策(DX戦略)
(1)営業活動の効率化とデジタルマーケティングの推進
営業販売システム(自社製作)の顧客情報、商談情報のデータに加えて、顧客・商談ごとの営業活動をデータ化し共有化することにより、営業活動の全体効率化を進めます。
また、メルマガや顧客とのコミュニケーションツールなど、MA(マーケティングオートメーション)を実現し、マーケティング業務の効率化を図ります。
(2)生成AI活用によるエンジニアリングの生産性向上
生成AIの技術を活用して、社内サーバーに保管された各種ドキュメント(設計・開発・保守)に対する問い合わせ機能を実現し充実させます。
履歴を含んだ膨大なデータから必要な情報を高速に取得することで、エンジニアリングの生産性向上を図り、顧客サービスの向上にもつなげます。
(3)幅広い専門的AI技術者の育成・拡大
お客様のデジタル化とデータ利活用を実現するためのAI技術者育成を進めます。
幅広いAIエンジニア育成を目的に、専門スキル認定合格者を増強するための投資を継続的に実施します。
具体的には、(一社)日本ディープラーニング協会が認定する資格のうち、AI開発者を認定するE資格、広くAIリテラシー修得のG検定、生成AIの活用スキルを認定するGenerative AI Testなどの合格者を増強します。また(一社)データサイエンティスト協会が認定するDS検定の取得により、データサイエンティストの増強も進めます。
専門的AIエンジニアは山形県AI活用アドバイザーとして登録し、地域のDXを支援します。
(4)BIツールによる経営ダッシュボードの導入
BIツールの活用により、会計データ、営業見積りデータをもとにした営業状況をリアルタイムに可視化し、営業進捗や収支予測など多面的な分析を可能にします。課題の早期発見による業務改善など、収益性向上のための経営意思決定の精度向上とスピードアップを図ります。
5.DX推進体制
(1)体制
デジタル技術の適用を全社横断的に支援する部門(AI開発部)を新設しました。
(2)DX人材の育成
DX推進の原動力となる人材の育成と拡大に継続的に取り組みます。
具体的には、E資格、G検定、DS検定、Generative AI Testなどの取得および取得のための研修受講を積極的に進めます 。
6.戦略実現のためのIT・デジタル環境整備
(1)ITシステム・デジタル技術
- 営業販売システムの刷新
- MAツールの導入
- 生成AIによる問い合わせツールの開発
- BIツールによる経営分析ダッシュボードの運用
(2)DX人材の育成
UdemyBusinessのアカウントを全社員に付与し、自主的な学習の場を設けます。
※DX推進のための環境設備投資については、年次予算として計画し、継続的に進めます。
7.戦略達成の指標
(1)営業活動の効率化とデジタルマーケティングの推進
新営業販売システムの要件定義から設計・製造、稼働までの工程による進捗管理を行います。
MAツールの選定から導入までのプロセスについてスケジュール管理を行います。
<2024年度>
新営業販売システムの要件定義を完了
MAツールの調査を実施し、導入の方向性を決定
(2)生成AI活用によるエンジニアリングの生産性向上
生成AIによる問い合わせツールの要件定義から設計・製造、稼働までの工程による進捗管理を行います。
エンジニアリングの生産性評価方法を明確にし、継続的な運用が可能なものにします。
<2024年度>
問い合わせツールの開発完了~テスト運用開始
(3)幅広い専門的AI技術者の育成・拡大
修得する受験科目を明確にし、合格者数をもって進捗度を計ります。
<2024年度>
- E資格:2名
- G検定:4名
- DS検定:2名
(4)BIツールによる経営ダッシュボードの導入
BIツールの要件定義から設計・製造、稼働までの工程による進捗管理を行います。
BIツール利用による省力化について目標値を設定し、目標に対する進捗度を計ります。
<2024年度>
営業予算に対する進捗管理と通期の収益予測について自動化
8.DX戦略の推進状況
DX戦略の推進状況 はこちら